問題の写真です。
ゼーベック効果をわかりやすく表していると思います。
しかしこれは現実ではありません。
(たぶん)
まず、ペルチェ素子一つでは豆電球は点灯しません。
仮にLEDだとしても同じです。
それから、バーナーでペルチェ素子の片面を加熱していますが、この方法だと加熱された面の熱が、あっという間に冷却すべき面に伝わっていき、電流は流れなくなります。
さらに加熱によりペルチェ素子が壊れてしまいます。
ですので、基本的には写真のようなことは起こりません。
ならば、『tPOD1』はどのようにしてLEDを点灯させているのでしょうか。
ここからは推測するしかありません。
ティーキャンドル一つとフィンだけで温度差を作っているので、ペルチェ素子の両面の温度差を大きくすることによって、発電量を増やしているとは考えられません。
ではどうするのか・・・。
おそらくペルチェ素子を複数枚使っているのでしょう。
直列に接続すれば電圧が上がり、並列に接続すれば電流が増加します。
LEDを点灯させるには、電圧は少なくとも2Vは必要です。
ロウソク程度の熱量でペルチェ素子1枚ではせいぜい1Vです。
2枚を直列に接続すればLEDは点灯しそうです。
仮に2枚を並列に接続して電流が増加しても、電圧が増加しないのでLEDは点灯しません。
ペルチェ素子を3枚ほど直列に接続しているのでしょう。
ではペルチェ素子がロウソクでどれだけ発電するのか実験してみます。
手元にあった十数年前のペルチェ素子です。
これは太陽電池でクーラーを作ろうとして挫折したものの残骸です。
ペルチェ素子の両面に放熱用のヒートシンクを取り付けたのですが、留め方が分からず、固まるシリコングリスを塗って取り付けました。
これが効くのなんのって!
完全に固まると二度と取ることはできません。
カッターナイフで隙間を作ろうとしても、力ずくで剥がそうとしても取れません。
おそらくペルチェ素子が破損したときに取れるものと思われます。
そしてその固まるシリコングリスも、使った後きちんと蓋を閉めていたにもかかわらず、カチカチに硬化していました。
もったいないことをしました。
ですからもう二度と固まるシリコングリスは使うまいと思ったのです。
そのいわくつきのヒートシンク付きペルチェ素子で実験です。
ロウソクの真上にペルチェ素子を持ってきて加熱すると、すぐに熱が上部に伝わってしまいそうなので、側面を加熱することにしました。
ペルチェ素子の電圧を測ります。
次回、ロウソク発電機の製作
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