それは2011年3月11日の東日本大震災がきっかけでした。
この会社の社長は、被災地で暖をとったり調理したりしている様子を見ながらこの火で何かできないか考えていました。
電気の来ていない地域では、携帯電話のバッテッリーは既になくなっていました。
そこで思いついたのが、暖をとったり調理しながら携帯電話を充電できる鍋です。
結構有名なので見た人もいるかもしれません。
便利ですね。
構造自体は簡単です。
昔からよく知られているゼーベック効果を利用したものです。
ペルチェ素子を知っている人なら、あ〜、あれね、とわかりますが、実用となるといまいち使いづらいものでした。
ペルチェ素子とは、導線にDC電源を接続すると、素子の両面にそれぞれ冷たい面と暖かい面ができるものです。
電源のプラスとマイナスを入れ替えると、冷たい面と暖かい面も入れ替わります。
小さな冷蔵庫などに使われます。
USB接続のマグカップヒーターなどにも使われています。
実験では冷たい面と暖かい面とがはっきりわかっておもしろいのですが、そのまま電気を通していると、あっという間にそれぞれの面の熱が伝わって、全体的には熱くなっていき、最後には壊れてしまいます。
きちんと温度管理をしなければならないちょっとやっかいな素子でもあります。
このペルチェ素子に逆のエネルギーを与えるとどうなるでしょうか。
つまり、片面は冷たく、もう片面は熱くするのです。
すると電気が発生します。
これがゼーベック効果です。
【産総研より】
冷たい面と暖かい面を入れ替えると発生する電気もプラスとマイナスが入れ替わります。
温度差を付ければつけるほど発電量も大きくなります。
温度差が重要なので、例えば片面を10℃の空気に接している場合、もう片面を−10℃の氷にしたときと、30℃の空気にしたときとでは、同じ発電量になります。
この原理を利用して作られたのが先ほどの発電鍋です。
これはこれですばらしいのですが、鍋で水を沸騰させることが前提で、さらに大量の燃料を必要とします。
充電のためにガスコンロを使うのもどうかな・・・。
ということでさらに探していきます。
次回、こ、これは・・・!
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