現在は2006年ですから、太陽光追尾装置の開発に取り組み始めたのは、ちょうど今から10年前になります。
まだそのころは太陽電池もほとんど知られておらず、手に入れるのも困難な時期でした。たとえ手に入ったとしても非常に高価です。出力の大きさにもよりますが、今の10倍くらいの値段はしました。
ですから、1枚の太陽電池をいかに効率よく利用するかが大きな関心事だったのです。当時既にコンピューター制御による追尾装置はありましたが、いかんせん大型で、価格もとても一般の人の手に届くものではありませんでした。
そこで私は考えたのです。ないなら作ればいいと。
初めに決めたのは
1.コンピューター制御ではなく簡単な回路にすること。
2.コストが低くなるようにすること。
3.持ち運び可能で初期設定が不要なこと。
4.モーターにはステッピングモーターではなく、DCモーターを使うこと。
5.特許取得可能なものを作ること。
この5つです。
1については、実は簡単に出来るのです。プログラムさえ組めばいいのですから。ただ、設置するためにはパソコンが必要ですし、その場所の初期設定も必要です。据え置き型で、精密な精度を必要とする場合にはいいかもしれません。
2については、私は追尾装置を世の中に広めたいのですから、価格を低く抑えるに越したことはありません。そのためには汎用の部品で作る必要があります。
3については、装置は据え置き型ではなく、キャンプに持っていったり、車の屋根に設置して使ったりすることも想定しているので、装置を置いてスイッチを入れたら、どこででも動き出さなくてななりません。今ではこれについてはこだわらなくなっていますが。
4については後で述べますが、回路と電流とメンテナンスの問題からです。
5については、せっかくですからオリジナルのもので特許を取って、大金持ちになりたいじゃありませんか!
でも特許を取るだけじゃダメなんですよ・・・。
こうして太陽光追尾装置の開発が始まったのです。そして約2年後には初期型が完成し、大学へ1台、高等学校へ1台納入されていきました。これを機に、私はその世界から離れ、自然エネルギー関係のことは趣味として続けてきました。
しかし2006年、太陽光追尾装置2号機を製作するため、再びこの世界に戻ってきたのです!(勝手に作ってれば・・・という冷めたツッコミはなしですよ・・。)
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