青森県藤崎町にあるトキワ養鶏では鶏の飼料に玄米を使う飼育を二年前から始めたそうです。
新聞記事によると、一個100円ですが、味の良さと安心感で週に限定60パックが、早いときには一時間で売り切れるということです。
養鶏場では、木造築50年の昔ながらの鶏舎で4万羽飼育しています。なかでも日本で育種改良された「後藤もみじ」と「岡崎おうはん」という種類の鶏が、主に『米』で飼育されています。
ふつうは一羽あたり一日120gのえさで、その6割が米国産トウモロコシです。それを地元の米でまかなおうと考えたのです。
昔から縁の下など家で飼っていた鶏は、餌として米ぬかや割れてしまった小米、成熟しなかった青米、雑穀、菜っぱの下葉、ミミズやカタツムリ、芋虫、貝殻を砕いたもの、ご飯の残りもの、などをやっていました。
数もせいぜい10羽位なので餌も十分ありました。
その卵のおいしいこと!
黄身がぷっくりと盛り上がり、白身も二重に盛り上がっています。
しかし大量生産ともなるとそうもいきません。やはり飼料を買う方が手っ取り早いので買ってしまいます。安い飼料を求めていくと外国産になってしまうのです。
ところがここ最近の穀物の高騰でえさ代に困ってしまいました。そこで近年身近にある餌に注目し始めた業者が出てきました。
トキワ養鶏では昔の餌に注目し、米を使うことを考えました。昔なら、鳥の餌に米をやるなんてもってのほか、罰が当たる!というところですが、近年の減反政策や稲作農家の高齢化で、米の生産量を減らしてきています。土地も余っているのです。これを利用することを考えました。
やはりはじめ、生産者は、米を鳥にやるなんて・・・、と抵抗もあったようですが、今では収量を少なく調整することなく、思いっきり米を生産できる喜びを感じているそうです。
現在、飼料米と輸入トウモロコシの価格差は4倍にまで近づいたそうです。
このまま輸入国もつの価格が高騰すれば価格差は縮まりますが、下落したときにこの仕組みが破綻しないのでしょうか。今は値段よりも『味と安全』に重きを置く人が増えています。ブランドとして認知されれば生き残っていくはずです。
意外だったのは、鶏は精米してある米よりも、籾のままの米の方を好むということです。知りませんでした。
これに関連して、『牛』でも同じような取り組みをしている人がいました。
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