この植物はいろんな点で特徴的です。
名前の通り、風船のような実がなります。そしてその中の種子には、猿の顔のような模様が付いています。
夏に小さな白い可憐な花を咲かせます。中の黄色と葛の緑の配色で、見ていて清々しい気持ちになります。
のびて成長していくツルは、まさしく雑草です。植木や塀にからみついて伸びていくので、抜いてしまいたくなります。
私はもうこのツルが、フウセンカズラだと分かっているので、成長を楽しみにすることが出来るのですが、以前は雑草だと思って、抜いてしまったこともあります。
2〜3mほど伸びてくると花を咲かせます。小さい花ですが、真っ白でちょこんと咲いている様子はほほえましくも感じます。
そこに少し大きくなった実と、巻くい付こうとするツルが同じフレームに入ったとき、まるでおとぎの国に生えている植物のように見えてきます。
そして花が落ち、実が大きくなるにつれてこの植物の特徴が現れてきます。まずは平べったい小さな三角形の実が見えてきます。
しばらくすると、日本の紙風船を思わせるような形に成長してきます。このときはまだふくらんではおらず、三枚の紙を無理矢理球形に貼り合わせたような感じです。
ここから日が経つに従って丸くふくらんできます。本当に紙風船のようです。実を破らないようにとって、投げて遊ぶことも出来ます。
思いっきり潰すと、パンっといって破れます。これはもう紙風船そのものです。この紙風船がずらりと垂れ下がっている様子は壮観です。
そのままおいておくと紙風船は茶色に変わり、中の実が熟してきます。カラカラになって、実を取り出してみると、あらびっくり! おさるさんの顔が飛び出てきます。何から何までメルヘンです。
残念ながら、実を取り出そうとしてみたところ、もう時期が遅かったのか、しわくちゃのカビが生えたような種しかありませんでした。きっともう地面に落ちてしまっているのでしょう。
来年も時期が来れば、自然と生えてきてくれると思います。
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