変化があったのは靴下を絞ったときです。
絞るとおびただしい量の血が垂れてきました。そのときはまだ、中にヒルがいるとは思いませんでしたから、もしかして鳥かネズミが中に入っていて、知らずに絞ってしまったのかなと、非現実的なことを考えてしまいました。
そのときはなぜか、やってもうた・・・というような、交通事故を起こしたときのような感覚になっていました。
仕方ありません。おそるおそる靴下を裏返していきます。私の頭の中では、ネズミが潰れたいや〜な光景が浮かんでいます。しかし何も見つけることは出来ません。
血は大量に滴っているのに、肝心のブツがないのです。狐につままれたような気分です。でもほっとしたのも事実です。
こうなったら徹底的に調査です。靴下を完全に裏返して舐めるように見ていくと、なにやら黒い小さなゴムのようなものが・・・。ヒルです。
山に入る前に、ヒルには気を付けろと言われたのを、今になって思い出しました。それにしてもあれだけ血がしたたり落ちたのに、ヒルはとても小さいのです。
それは、なんとヒルは自分の体重の20〜30倍もの血を吸うからなのです。
おそらく私は、ヒルに噛まれたのに気付かず、ヒルは心ゆくまで血を吸い、口を離して靴下の中にとどまっていたのでしょう。
ヒルに噛まれても無理矢理引き離してはいけないといいます。歯が皮膚に残ったままちぎれてしまうからだそうです。でも人によっては、すぐに引き離してもよいと言います。よく分かりません。
しかし調べて分かったことは、
・ヒルに血を吸われても、少量なため何の影響もなく、今のところウイルスなどが伝染する心配ない
・アルコールに弱く、ビールなどをかけると死んでしまう
・たばこの火などをつけると噛むのをやめる
・噛まれてもアンモニアで絶対に消毒してはいけない
・血を止めようと思ったら、傷口の辺りの血を絞り出して、 ヒルジンとともに水で洗い流すとよい
・ヒルはアルコール、木酢、塩などに弱い
・ヒルを防ぐには服に隙間を作らない
・場合によっては軍手の編み目、ストッキングの編み目からも進入することがある
ということです。
・・・・・つまり、私なりに解釈すると、山に入ってヒルに噛まれるのは仕方ないことだから、噛まれても気にせず、ヒルが満腹になって自分から口を離すまで待っておけ、ということです・・・。
要するに、ヒルを怖がる必要はありません。用水路などにいて、獲物はいないかなどと、鎌首をもたげて様子を探っている様はかわいいものです。
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