ホテイアオイは池や水槽に浮かべる水草として有名です。
明治時代、アメリカから持ち込まれたものですが、今では至る所で繁殖しています。
日本では寒すぎて冬には枯れてしまうと思われていましたが、場所によっては生き残る場合もあるらしく、一度は姿を消したと思っていても、時期が来るといつの間にか、水面をホテイアオイが埋め尽くしています。
私の場合は、お店で一株買ってきて、夏場だけ楽しんでそのままにしておくので、冬には枯れてしまいます。
けれど一昨年、外でビニールを掛けて水槽においていたところ、数株が生き残っていて春には芽を出していました。それが爆発的に増えて、あっという間に水槽からはみ出るまでになりました。
一株からねずみ算式に増えていきます。驚くべき繁殖力です。
ホテイアオイは富栄養化した水を好みます。ですから綺麗にしてある水槽では元気がなくなります。
増えすぎたため、いろんなところに分散させ育ててみましたが、山水を引いた場所では一番よく成長しました。
葉っぱの色も深緑で、根も50cm以上伸び、あっという間に株を増やしていきました。山から流れる水には、栄養分がたっぷり含まれていることを実感しました。ゴクゴクそのまま飲めるほど綺麗な水にもかかわらずです。
牡蠣や海苔、昆布などが川からの栄養分に影響されるのも納得です。
栄養分を取り込む能力を利用して、水の浄化に使うこともあります。ホテイアオイに富栄養化した川の水を吸収させるのです。
問題は、そのホテイアオイをどうするかです。そのままにしていたのでは、ホテイアオイが腐ってしまったとき、さらに川を汚してしまいます。家畜の肥料にするとか、堆肥にするとか考えられていますが、いまいち決め手はないようです。
窒素、リン分をよく吸収するので、堆肥にもってこいだと思うのですが。
おもしろい利用法としては、岡山の私立大学の教授が開発した、ホテイアオイのお酒です。
ホテイアオイからお酒を造るというものですが、当時はあまり詳しく聞いていませんでした。原理的にはバイオエタノールを作ればいいのですから出来るはずです。
風味とか質とかを高めるのに苦労したと話されたのを記憶しています。後は販路だけだといっていました。一番難しいところですね。
あれから10年、広まっていないところをみると、うまくいかなかったのでしょう。今では単純に燃料としての、バイオエタノールの原料として利用できそうです。
ホテイアオイは綺麗な花を咲かせます。浮き袋の形といい、花の色、形といい、観賞植物としても楽しめます。
しかし、ホテイアオイも帰化植物となってしまったわけですから、なかなか複雑な思いです。
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