夏になると、夜に部屋の明かりを目指してたまにやってきます。
このとき捕まえたのは昼間でした。ふと見ると土間にいたのです。珍しいことではありません。犬に食べられなかったのは運がよかったです。
ミヤマクワガタは、名前の「深山(みやま)」の通り、山奥に住んでいます。暑さに弱いので、町中での飼育は難しいそうです。成虫では越冬せず短命です。
とてもデリケートで環境によっては、すぐに弱って死んでしまいます。見た目は強くてしぶとそうなのに。
私が子供の頃、カブトムシやクワガタ取りに夢中になっていました。学校から帰るとすぐに友達と採集に行っていました。虫が集まる場所が決まっているので見回りに行くのです。見て見つからなかったら、木を蹴ります。すると何匹か落ちてきます。ノコギリクワガタや、カブトムシ、カナブンなどいろんな虫が落ちてきます。
最近では、採集の時に木を蹴らないように、と指導しているらしいですが、当時はそんなこと知ったこっちゃありません。思いっきり蹴ってました。朝早くに採集に行くと、たくさんとれました。
今でもその場所でカブトムシが捕れるのか分かりません。大人になると熱は冷めてしまうものですね。しかしカブトムシなどを見ると、今でも血が騒ぎます。でも採集に行こうとまでは思わなくなりました。
ミヤマクワガタは昼間でも活動するので、見つけやすいクワガタだそうです。
以前、四国の風力発電の施設を見学しようと、山に登っていったことがありましたが、そこにおびただしい数の、ミヤマクワガタの死骸を見つけたことがありました。公園の駐車場のスペースほどの広さに、何百匹もの死骸が散乱していたのです。
大部分が雄でした。そのときは理由が分からず、凄い光景だなと思っていたのですが、ミヤマクワガタが冬を越さないことを知り、その理由をこう考えました。
夜の山中の明かりに引き寄せられ、雄も雌も集まり、交尾し、雄はそのまま果てたのではないかと。真相は分かりませんが、ミヤマクワガタがまだまだたくさんいることを知って、ほっとしたのでした。
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