地味に生えている植物ですが、日本の庭の風景にはなくてはならない存在です。
湿った石垣の隙間や、沢の側、湿った場所や日影を好みます。葉はタンポポと同じように地面を這うロゼット葉で、ぜんめん赤褐色の毛で覆われています。さわるとごわごわします。
この毛のおかげでしょうか、名前の通り寒さに強く雪の下でも生き抜くことができます。とにかく生命力の強い植物です。
このユキノシタにも、薬草としての効能があります。腫瘍、火傷、凍傷、ひび割れには葉を火であぶって患部に貼り、子供の百日咳、ひきつけなどには葉のしぼり汁を飲ませ、ウルシカブレには葉を塩で揉んで患部に貼り付けるとよいようです。心臓病、肝臓病などで、軽いむくみのあるときは煎じて服用します。成分は無機物で硝酸カリウムと塩化カルシウムが知られています。
葉は年中取れるので、いつでも利用できます。
ユキノシタと言えば、やはり天ぷらでしょう。さっと衣を付けて、カラっと揚げます。また、塩でゆでて水にさらしてから、酢味噌和え、辛し和え、ゴマ和え、汁の実、煮物などにしても食べられます。
初夏には花茎が伸びてきて、たくさんの小さな白い花を咲かせます。遠くから見ると、まるで雪が舞っているように見えます。
最近気が付いたのですが、この花にはおもしろい特徴があるのです。左の写真を見ておわかりでしょうが、花びらが2枚だけ異常に大きいのです。
今までは、他の花びらは風で散ってしまったんだと思っていたのですが、どの花を見ても2枚だけ花びらが残っているのです。これは変だと思い、調べてみたところ、もともと2枚だけ大きな花びらを持つ花だということが分かりました。いや、お恥ずかしい・・・・。
遠目で見ると地味なのに、近くで見れば見るほどかわいらしい花です。
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