どうしても自然の状態にこだわりたい人は、広葉樹を切って長さをそろえ、そのまま山に放置しておくという手もあります。
もともと椎茸の菌は山にいるので、運がよければ、勝手に繁殖します。実際、私の山にもそのようにしてできた椎茸がありました。見つけたときは驚きました。ひいき目で見たためか、栽培したものよりもしっかりしていて、香りもよかったように思います。
椎茸の生えていた木には、すでに菌糸がまわっているので、その木の側に他の木も近づけておきます。そうすることで他の木にも菌が入り込み、また椎茸が生えてくるのです。
さらに確実にするために裏技も使います。椎茸が生えていた部分の木の皮を鎌で削ぎます。そして他の木の皮を剥ぐように切れ込みを入れ、そこに先ほどの木の皮を差し込みます。こうすればより高い確率で菌糸を入れ込むことができます。
ホダキは乾燥させてはなりません。ちょっと湿り気がある方がよいのです。そして1〜2年ほど放っておけば、運がよければ、椎茸を収穫することができます。
この作業を毎年続けていれば、後は途切れることなく、いつでも椎茸を収穫することができるのですから、最初だけはしばらくの辛抱です。
栄養が吸い取られて寿命が来たホダキは、ボロボロですからいい肥料になります。そのまま山に置いておいてもよし、畑に撒いてもよし。まとめて置いておけば、クワガタやカブトムシなどが卵を産みますから、夏には楽しみも増えます。
山に木を切って置いておいて、椎茸が生えるまで待てない という人には別の方法があります。
椎茸を菌糸で増やすのではなく、胞子で増やす方法です。植物でいえば種みたいなものです。
まずはお店で椎茸を買ってきます。すぐに食べてしまいたいのを我慢して、ある作業をします。それは椎茸を一晩、黒い紙の上に置いておくことです。
そうすると、紙の上にはきれいな椎茸の模様が浮かび上がっているはずです。この模様は椎茸の胞子が落ちて出来たものです。
この胞子を集めて、準備しておいたホダキにしのばせます。こうすれば、運がよければ、椎茸を収穫することが出来ます。
確実なのは、お店で菌を買うことですが、天然物の収穫も捨てがたいものがあります。
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