私の村では、かつてキウイの生産をし、その前はぶどうの生産をしていました。
私の祖父の時代に初めてぶどうの木を植え、一時期は畑一面がぶどうという時もあり、活気に満ちていましたが、今ではキウイもぶどうも出荷する家はなく、自家用に作っているだけです。
(出荷していたときはきちんとした棚を作っていましたが・・・)
ぶどうは手間がかかります。出荷用はもちろん自家用にも手間をかけなくてはなりません。
剪定、伸びた枝(ツル)を結わえていく誘引、余分なツルや葉っぱを落とす作業、花が咲いた後の粒間引き、ホルモン剤投与、また粒間引き、間をおいて房の形を整えるための粒間引き、袋かけ、秋になると早朝からの収穫など、気の休まる時はありません。
最も重要なのは土造りです。農業の基本ですね。化学肥料ではいいものは出来ません。鶏糞、牛糞、骨粉、腐葉土などがいい肥料になります。毎年草が生えないように、ブドウ畑全面に稲藁を敷き詰めるのですが、これも下の方からやがて腐っていき、いい肥料になります。
消毒もしなくてはなりません。消毒をしなかったら、ほとんど食べるところがなくなってしまうでしょう。ブドウの房や葉っぱに付いた菌は、殺菌してしまわないとどんどん感染してしまいます。放っておくと全滅です。ですから、ブドウに消毒は不可欠なのです。
これほど消毒をするので、ブドウを食べるときには、きれいによく洗うか、皮を口に含まず、剥いてから食べないと心配になります。
デザート用のブドウには、粒を大きくするために、ジベレリンというホルモン剤をかけます。これをしないと小さい粒のブドウになり、商品価値がなくなります。このホルモン剤を、時期をずらして二回かけると、種なしブドウになります。
最近見かけるブドウは大粒で種がありませんが、これはジベレリンを二回かけているのです。体に影響はないと思いますが、気持ちのいいものではありません。
ジベレリンをかけなくても、栽培方法によっては、粒の大きなブドウにすることは可能です。しかし、ジベレリンをかけたものには及びません。うちでも一回はジベレリンをかけます。
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